- ウーロン茶や赤ワインのような尿が出たり尿に血が混じる場合
このような尿が出た場合は腎、尿管、膀胱、前立腺、あるいは全身のどこかにか異常がある場合がほとんどです。原因は膀胱炎、腎盂腎炎、尿路結石、膀胱がん、腎がん、前立腺がん、腎盂尿管がん、IgA腎症、腎炎、ナットクラッカー症候群などの腎の血管系異常、薬剤による血尿、運動過多やある種の薬剤によって筋肉が溶けてでるミオグロビン尿、肝臓疾患によるビリルビン尿、血液疾患によるものなど様々です。
注意が必要なのはウーロン茶のような尿が1回だけ出て、その後は血尿もなく痛みもない場合です。このような場合の多くに膀胱がんなどの悪性腫瘍が見つかります。悩まずにすぐに泌尿器科専門医を受診することをお勧めします。
- 健診で尿潜血を指摘された場合
尿潜血(目ではみえないが尿検査で潜血反応を示す)を指摘された方の多くは治療を要する病気を持っておられません。ただし中には泌尿器領域の癌や結石あるいは腎炎などが見つかる場合がありますので、一度は泌尿器科専門医を受診しましょう。尿潜血が3+の場合や、以前は指摘されなかったが最近尿潜血を指摘されるようになった場合は必ず受診しましょう。
尿潜血が出るからといって貧血になることはありません。止血剤など飲む必要はありません。重要なことは尿潜血の裏側に治療を要する病気が潜んでいないかをはっきりさせることです。薄基底膜症(腎に存在する血液から尿を作るところのフィルターが薄くなっている状態)や膀胱や尿道粘膜の加齢による変化、前立腺肥大症なども尿潜血の原因になります。高度の腎機能障害の原因となる腎炎の前兆の場合も尿潜血がありえるので、定期的な検査(顕微鏡による尿検査)が大事です。
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