鹿児島県姶良市の山下わたる内科−腎臓病と人工透析の専門医院。腎炎、腎不全、膠原病、糖尿病、消化器、肝臓、すい臓、循環器、高血圧などの治療

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腎臓病について

腎臓病の原因と治療法 人工透析 栄養管理と食事療法

栄養管理と食事療法

食事療法であなたの可能性を少しでも拡げること、できるだけ進行を遅らせることが大切です。

慢性腎不全になると、一度失った機能を元に戻すことはできません。治療は、病状の進行をできるだけ抑え、残っている機能を残存させることが目的になります。また、一旦人工透析に進行した方でも食事療法、栄養管理は大切なファクターです。

しかし、この食事療法・栄養管理は何かと規制が多く、透析患者さんにとって、ともすれば苦痛になりがちな課題です。

身に付く、身になる食習慣を

そこで当院では、一人一人に合った食事療法をなるべく無理なく身に付けていただけるように、病院での食事がそのままご家庭で生かされるような食事提供を心掛けています。

また、食事環境を考慮し、透析室隣の和室15畳のゆったりスペースでお食事時間を過ごしていただくとともに、温かいものは温かく、冷たいものは冷たいまま召し上がっていただくために、おひとりずつの患者さんにその都度の、まごころ配膳をこころがけています。

透析療法は、正常な腎臓の働きのすべてを代行できるものではありません。そこで食事の量やバランスを調整し、腎機能の保持と尿毒症の進行を抑えることを目的とした食事療法が必要になってきます。水分の適正保持、たんぱく質の摂取制限、塩分の制限、十分なエネルギー量の摂取、リンやカリウムの摂取制限、カルシウムの補給などです。

■低タンパク食

タンパク質の摂取量が多くなると腎臓にかなりの負担をかけてしまうため制限が必要となります。 通常は一日に20〜40g程度の制限になることが多くなります。
但し、低タンパク食を実施するにあたり、十分なエネルギー量を摂らないと、制限したわずかなタンパク質もエネルギー源に使われてしまい、たんぱく質の不足という重大な栄養障害になってしまうため注意が必要です。

■エネルギー量

タンパク質を減らすと、自動的にエネルギー量が減ってしまうので、通常の食品だけでは、タンパク質を制限したうえで、エネルギーを必要量とることは不可能です。そのため、エネルギーは十分にあって、タンパク質を大幅に減らした治療用特殊食品を使います。治療用特殊食品には、ご飯や小麦粉、めん類、ミルクなどがあります。

■塩 分

普通は、一日に6g程度に制限します。

■水 分

飲み水だけではなく食品に含まれる水分量も含め、水分の制限が必要な場合もあります。

■リン・カリウムの摂取制限

■カルシウムの補給

以上、自分の状況に見合った栄養摂取を続けることが大切です。そうすることが、尿毒症の原因となる物質を極力抑え、水分、カリウムやリンなどの電解質の摂取を調整して体内を維持し、さまざまな合併症を防止することになります。